【まとめ】経審の概要と審査項目

 

こんにちは!

横浜・川崎の行政書士の外山(とやま)です。

 

「公共工事を請け負いたいのだけど、必要な手続きはある?」と

ご相談をいただくことがあります。

 

官公庁が公共工事を発注する際に入札の方法によりますよね。

たとえば、橋があります。橋は年々劣化していくので一定の時期にそれを直さなければなりません。

そこで橋の管理者である官公庁が入札の方法によって民間の工事業者を選定し、官公庁と選定された工事業者間で工事の請負契約を締結します。

入札に参加するために、入札に参加したい官公庁における入札参加資格申請が必要となります。この入札参加資格申請の前提として経審事項審査(いわゆる経審)を受ける必要があるのです。

 

経審とは

経審とは経営事項審査の略称です。

入札参加資格申請の際には、経審を受けることで取得できる総合評定通知書を添付する必要があります。したがって、入札参加資格申請をしたい業者様は経審を受けている必要があります。

大切なことです!経審を受けられるのは建設業許可を取得している建設業者に限られます。

したがって、無許可の建設業者は経審を受けることができません。

 

建設業許可を取得するためには要件があります。

以下のリンクでまとめています。ご参照ください!

建設業許可を取得するための4つの条件

 

なぜ公共工事を請けるために経審を受けるのか

公共工事を受けるために経審を受ける必要があるのは以下の理由があるからです。

 

・税金を原資とする公共工事は特に慎重な発注が求められている

・官公庁は、数多く存在する建設業者の規模や業種に見合った工事を発注する必要があるため、業種ごとに客観的な評価が必要となる

 

なお、公共工事を発注する官公庁にとって、経審は建設業者を客観的に評価するための基準として機能します。建設業者からみたら、経審とは建設業者にとっての通信簿みたいなものです。

 

経審の構成

経審は大きく2つの段階に分けることができます。

それは、「経営状況分析申請」と「経営規模等評価申請」です。

 

経営状況分析申請

経営状況分析申請とは特定の機関に建設業者の財務状況を分析してもらう申請です。

経営状況分析申請には審査項目がいくつか設けられています。

 

負債抵抗力

借入金やこれに伴う支払利息が多すぎないかどうかを判断します。

 

収益性・効率性

売上高や投下資本に対する利益額をみて、これらの利益率が良いかどうかを判断します。

収益性は損益面の判断であり、効率性は財政面の判断です。

 

財務健全性

自己資本は会社にとって返済する必要のない資金です。このため、自己資本の割合が大きいほど会社の財政状態は健全であると判断されます。

 

絶対的力量

短期的には直前2平均の現金創出能力を評価します。

長期的には利益剰余金の大きさを評価します。

 

経営規模等評価申請

経営規模等評価申請とは建設業者がどのくらい規模の経営をしているかを審査します。

経営規模等評価申請には審査項目はいくつか設けられています。

 

完成工事高

完成工事高とは、完成した工事の売上高、収益のことをいいます。

 

自己資本額及び平均利益額

自己資本額とは、決算書のうち貸借対照表の資産総額から負債総額を差し引いた純資産の合計額をいいます。

平均「利益額」の利益とは、営業利益に減価償却費を足し戻した額をいいます。この額の2年平均が評価対象となり、経審上では平均利益額といいます。

 

技術職員及び元請完成工事高

技術職員数の評価は、一定の建設技術系国家資格保有者と実務経験者の数を評点に反映させます。

元請完成工事高とは、官公庁または民間の注文者から直接請け負った工事の完成工事高をいいます。

 

そのほかの審査項目(社会性等)

そのほかの審査国目(社会性等)では、建設業者が社会的な責任を果たしているかどうかなどを評価して点数化します。

たとえば、健康保険や厚生年金保険の加入や雇用保険の加入がこの一例として挙げられます。

 

総合評定通知書 と 経審を受ける時期

総合評定通知書とは

神奈川県知事許可の場合、経営事項審査を申請をして1ヵ月ほどの審査を経て、総合評定通知書が届きます。

 

総合評定通知書には有効期間があります。

それは1年7か月です。その期間が満了した場合、公共工事の入札参加資格申請はできなくなります。忘れずに、毎度経審をする必要があります。

 

経審を受ける時期

経審を受ける時期は会社の決算日から3か月をめどに申請する必要があります。

したがって、会社の決算の確定申告が終わり、その後確定申告書が届くタイミングで経審の準備をし始めるのが良いと思います。

 

ちなみに経営規模等評価申請の際に、決算変更届を提示します。

決算変更届とは、建設業許可業者が許可行政庁に対して毎年届け出る決算報告です。

決算変更届の内容とも照らし合わせて経審の審査が行われます。

したがって、経審の準備と並行して決算変更届も作成する必要があります。

 

経営事項審査申請、承っております

経審の手続きの概要とその評価項目についてご説明させていただきました。

経審は①経営状況分析、②経営規模等評価申請を経て審査がなされます。

 

経審の申請準備は手間がかなりかかります。

用意する書類も多く、申請書の作成も大変です。

お時間のない業者様は専門の行政書士に依頼することも一つの手段かと思われます。

 

ぼく自身、建設専門の行政書士として経営事項審査申請のご相談をいただきます。

また、経審上の点数をあげるためにはどうすればよいかコンサルティングも行っております。

記事上で不明点やもっと知りたい箇所がありましたらコメントもしくはお問い合わせくださいませ!

 

 

今回もブログをお読みいただき、ありがとうございました!

 

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外山 太朗

外山太朗

【建設業専門の行政書士】建設業許可をはじめとする建設業関連のお手続きの申請をし、建設業者様のサポート。申請実績1000件以上。得意分野は建設業許可・産業廃棄物収集運搬業許可・解体工事業登録など。平成1年3月生。日本行政書士会連合会 登録番号:18090708。神奈川県行政書士会 会員番号:5461。代表 外山が「行政書士絶対合格ファイト」にてインタビューされました。