横浜・川崎の行政書士の外山(とやま)です。
以前、ぼくは建設業を営む会社に勤めていました。
その建設業者は建設業許可を持っている会社です。
建設専門の行政書士として、建設業許可の手続きについて触れる前はその手続きの複雑さを知りませんでした。
この業界に入り、建設業許可の概要や手続きなどの大変さを理解しました。
建設業許可の要件をはじめ、取得後の手続きについてもお問い合わせいただきます。
建設業許可とは
建設業とは、元請・下請を問わず、建設工事の完成を請け負う営業をいいます。
建設業は29業種あります。
その工種ごとに、工事の請負金額が500万円(建築一式工事の場合は1,500万円未満もしくは木造住宅で延べ面積が150㎡未満の工事)以上の場合に許可が必要です。
建設業許可の要件
建設業許可には要件があります。
経営業務の管理責任者がいること
「経営業務の管理責任者としての経験を有する者」とは、法人の役員、個人の事業主又は支配人、営業取引上対外的に責任を有する地位にあって、経営業務の執行等建設業の経営業務について総合的に管理した経験を有する者をいいます。
法人では役員のいずれか、個人では本人または支配人が、経営業務の管理責任者になる必要があります。
また、経営業務の管理責任者は申請会社に常勤することが必要となります。
専任技術者
営業所ごとに許可を受ける建設業種の専任技術者を常勤させなければなりません。
一般許可の場合、専任技術者は以下の者がなれます。
イ.許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関し、高校の所定学科(旧実業
高校を含む)を卒業後5年以上、又は、大学の所定学科(高等専門学校・旧専門
学校を含む)を卒業後3年以上、実務の経験を有する者
ロ.許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関し10年以上の実務の経験を
有する者(学歴・資格を問わない)
ハ.イ、ロと同等以上の知識・技術・技能を有すると認められた者
なお、要件を満たせば、同一営業所において二つ以上の業種について一人で専任技術者となることができます。
専任技術者は申請会社に常勤することが必要となります。
財産的基礎
工事の完成は請負契約によります。
建設業許可をとるには、請負契約の履行するに足りる財産的基礎がなければなりません。
具体的には、以下のいずれかに該当することが必要です。
1.法人にあっては、直前の決算の純資産合計の額が500万円以上であること
※個人にあっては、直前の決算の期首資本金、事業主借勘定及び事業主利益の合計額から事業主貸勘定の額を控除した額に負債の部に計上されている利益留保性の引当金及び準備金の額を加えた額が500万円以上であること
2.主要取引金融機関発行の500万円以上の預貯金残高証明書(残高日が申請書の受付日から起算して前1か月以内のもの)を提出できること
3.直前5年間許可を受けて継続して営業した実績のあること
欠格要件
法人、法人の役員等、個人事業主等が、請負契約に関し、不正又は不誠実な行為をするおそれが明らかな者でないことが必要です。
許可後の手続き
建設業許可は、半永久的に有効であるわけではありません。
また、申請内容に変更があった場合は変更届の提出が必要となります。
許可の更新
許可の有効期間は5年間です。
引き続き許可を受ける場合は、有効期間の満了の日の3か月前から30日前までに、更新申請が必要です。
変更届
変更届は一定の期間内に提出しなればなりません。
変更事由によって、期日が異なっています。
14日以内に届出が必要な変更届
以下の変更事由があった場合は、変更後から14日以内に変更届を提出しなればなりません。
・ 経営業務の管理責任者の交代
・専任技術者の交代
・支配人の就退任
・令第3条使用人(たとえば、営業所長、支店長など)の交代
なお、経営業務の管理責任者や専任技術者の交代で中一日以上不在の期間があると、許可の要件を欠くこととなります。
30日以内に届出が必要な変更届
以下の変更事由があった場合は、変更後から30日以内に変更届を提出しなればなりません。
・商号や組織変更
・営業所の所在地や名称
・営業所の電話番号、郵便番号
・従たる営業所の新設
・従たる営業所の廃止
・従たる営業所がある場合の営業所の業種追加
・従たる営業所がある場合の営業所の業種廃止
・資本金額
・役員の就退任
事業年度終了4か月以内に届出が必要な変更届
以下の場合、事業年度4か月以内に変更届の提出が必要です。
・国家資格者等監理技術者の変更や追加および削除、氏名の変更
・健康保険等の加入状況
・決算変更届(決算報告、事業年度終了届)
廃業届
以下の事由に該当した場合、該当後30日以内に廃業届を提出しなればなりません。
・許可を受けた個人の事業主が死亡したとき
・法人が合併により消滅したとき(清算結了しているときも含む)
・法人が破産し、破産手続き中のとき
・法人が合併または破産以外の事由により、解散し清算手続き中のとき
・許可を受けた建設業を廃止したとき
最後に
建設業許可の概要と許可後の手続きについて説明させていただきました。
なお、今回説明させたいただきましたのは、一般建設業許可についてです。
特定建設業許可の場合は、一般建設業許可とは違い、要件面が厳しくなります。
弊所では建設業許可に関する申請や届出を承っております。
お気軽にお問い合わせください。
今回もブログを読んでいただきまして、ありがとうございました!