こんばんは!
横浜・川崎の行政書士の外山(とやま)です。
建設業許可の取得のためには要件があります。
その要件をクリアすれば許可は取得できます。
ただし、クリアすることが難しいケースもあります。
たとえば、「経営業務の管理責任者」になれる人がいない…とか。
しかし!
なんと国が建設業法改正に伴い、検討し始めたことがあります。
それは経営業務の管理責任者の廃止です。
今回はそのことについて詳しく触れたいと思います。
経営業務の管理責任者(経管)とは
「経営業務の管理責任者」とは建設業許可の要件の一つです。
経管は、法人の取締役や個人事業主などの地位にあって、「建設業の経営業務について総合的に管理した経験」がある者をいいます。
経営業務を管理した経験の年数と内容
建設業の経管として認められるためには、許可を受けようとする業種については5年以上もしくは許可を受けようとする以外の業種については6年以上の経験年数が必要です。
なぜ廃止される?
廃止の理由はいくつかあります。
建設業に携わる労働者の数が減っている
建設業従事者は年々減少傾向にあります。
ぼく自身、建設業界に所属していましたが、その頃にはもうすでに従事者数の減少が指摘されていました。
事業継承の際に経管の要件が妨げになる
法人・個人問わず代替わりするケースがあります。
代替わりとは、経営者などが次の代にかわることをいいます。
たとえば、会社の社長Aさんが子Bさんに経営を任せるとします。
そして、Aさんが役員を退任するとします。
その際、Bさんが経営業務の管理責任者の要件を満たしていないがために、建設業許可の継続ができない…といったことも起こりうるわけです。
廃止による影響
経営業務の管理責任者の廃止による影響はメリットとデメリットがあると分析できます。
廃止によるメリット
経営業務の管理責任者は、建設業許可の要件の中で証明が一番大変な箇所です。
証明をするための書類(たとえば、注文書など)を紛失してしまったために、経営業務の管理責任者の証明ができない!というケースが度々ありました。
しかし、経営業務の管理責任者の廃止により、建設業許可の取得が今よりも容易になることが予想されます。
廃止によるデメリット
建設業許可制度が設けられているのは、消費者保護のためです。
消費者保護のためには、建設業者が倒産などして施工物を引き渡せないなどといったことがないように経営を安定化させる必要があります。
経営業務の管理責任者はこの許可業者の経営の安定性を担保しています。
より簡単に建設業許可が取得できることで、安定性に欠ける業者が業界内に参入し、建設業許可制度のそもそも目的である消費者保護に反するのではないか、とも考えられます。
最後に
いやあ、経管廃止のニュースは個人的にはかなりの衝撃でした(笑)
さて、経営業務の管理責任者の廃止されるとした場合、今以上に重視されるのは「社会保険の加入」です。
いずれ社会保険の加入も建設業許可の要件になるといわれておりますが、この社会保険の加入が、経営業務の管理責任者に代わり、経営の安定化や労務管理として機能すると考えられています。
あくまで、経営業務の管理責任者の廃止は国の検討段階の案です。
この案が法に反映され、実現すると決まった場合はまた別途お知らせします。
今回もブログを読んでいただきまして、ありがとうございました!