横浜・川崎の行政書士の外山(とやま)です。
会社設立の際に定めなければならないのが「事業目的」です。
事業目的とは、その会社で何をするのかについて簡単にまとめたものです。
今回は会社設立の際に定める事業目的についてのご紹介です!
事業目的とは
会社は目的として記載している事業の範囲内だけ活動することができます。
逆をいえば、目的に記載がないものに関しては、法律上できないということになります。
とはいえども、目的を定めるにあたり、いくつかのルールを守らなければなりません。
以下、そのルールをまとめました。
適法性
会社は、公序良俗に反することを目的とする事業を行うことができません。
公序良俗に反する行為とは、たとえば犯罪行為を目的とするものです。
営利性
会社が事業を行うのは利益をあげることです。
そのあげた利益を株主に分配することを目的としています。
したがって、利益を得ない「寄付」などは目的にすることができません。
ただし、企業には一定の社会的に責任があると考えられます。
そこで、全面的に非営利活動を行うことを禁止しているのではなく、社会的責任の観点から認められる傾向になりつつあります。
明確性
会社の目的は、だれが見てもわかるように、一般人のわかる言葉でなければなりません。
たとえば、業界特有の用語など一般人だれしもがわかる言葉とはいえないので、明確性を欠くおそれがあります。
事業目的を決める際の3つの注意点
会社の事業目的を決める際に気を付けるべきことが3つあります。
下記に気を付けるべき点をまとめました。
将来行う可能性のある事業は目的に加えておく
将来的に行う可能性が少しでもある事業に関しては、事業目的に加えておくことをオススメします。というのも、目的を追加したり、変更する場合は変更登記申請が必要なり、その分の費用が発生するからです。
なお、「目的」上に記載があるからといって絶対にその事業をしなればならない、というわけではありません。
登記上の目的と許認可の関係
たとえば、登記上の目的と神奈川県建設業許可申請に関連することが挙げられます。
目的の記載が抽象的でも登記はできます。
しかし、そのような抽象的な文言である場合は、建設業許可がおりないおそれもあります。
たとえば、【工事の請負業】という文言で登記した場合です。
建設業にはとび工事や内装工事などの工事が29業種あります。
工事の請負業、という記載だけではどの工種に該当するか不明確であるため、建設業許可がおりない可能性もあります。
ただし、このような場合でも事業目的を変更する旨の念書を添付することで、許可申請することはできます。
事業目的の数はあまり多すぎないほうがよい
目的の数については制限はありません。
したがって20個や30個以上の事業目的を掲げることも可能です。
しかし、そのような多すぎる目的を掲げていると、他の人から「会社がどのようなことを事業としているのか」についてはっきりと認識されません。
そこで、事業目的の数はあまり多くならないようにすることをオススメします。
最後に「前各号に附帯または関連する一切の業務」と記載
「前各号に附帯または関連する一切の業務」と事業目的の最後に記載することをオススメします。この文言を加えることで、前各号に附帯する業務であれば変更登記申請をする必要がなくなるからです。
まとめ
会社設立の際に定めることが必要である事業目的についてのご紹介でした。
まとめてみて改めて感じますが、けっこう気をつけるポイントがありますね!
会社設立の予定のある方や、それに加えて許認可申請の予定のある方にとって参考になれば幸いです。
今回もブログを読んでいただきまして、ありがとうございました!